意外と高い?安い?離婚慰謝料の相場

厚生労働省が発表した人口動態統計の年間推計によると、2015年の離婚数推計は22.5万組で、2分20秒に1組の割合で離婚が発生している計算になります。さまざまな理由で離婚に至るわけですが、そこで発生するのが慰謝料の問題です。いくつかのケースを例に離婚慰謝料の相場について、ご説明いたします。

気になる離婚の原因のランキング

夫側、妻側が挙げる離婚理由はどのようなものが多いのでしょうか。最高裁判所事務総局による「司法統計年報」(2014)によると、以下が挙げられています。
夫側
1位:性格が合わない
2位:精神的に虐待する
3位:異性関係
4位:家族親族との折り合い
5位:性的不調和
妻側
1位:性格が合わない
2位:生活費を渡さない
3位:精神的に虐待する
4位:暴力をふるう
5位:異性関係
という結果になっています。

離婚慰謝料とはどういうものなのか

離婚すれば必ずしも慰謝料を払う(もらう)わけではありません。慰謝料とは、離婚の原因をつくった配偶者が、他方の配偶者に与えた精神的苦痛、身体、自由、生命、名誉などを侵害する不法行為に対する損害賠償金のことです。先述した離婚理由ランキングで夫側、妻側ともに1位だった「性格が合わない」は、夫婦双方に離婚原因があるとみなされ、裁判所では慰謝料の支払い対象にならないとされています。

どのような離婚原因で慰謝料を請求できるのか

慰謝料が発生する主だった離婚原因とは
【1】浮気・不倫などの不貞行為
【2】DV、モラルハラスメント(モラハラ)などの暴力を受けた場合
【3】度を超したセックスレス
【4】悪意の遺棄(生活費を入れない、理由のない長期の別居など)
【5】過度の宗教活動
【6】過度の賭け事、浪費による家庭崩壊
などが挙げられます。

離婚慰謝料の相場はいくら

離婚原因によりけり(ケースバイケース)で慰謝料の金額は大きく変わります。また、同じ離婚原因でも当事者の性別や年齢、子どもの有無、または人数、婚姻関係、同居または別居期間、離婚による経済的な不利益がどのくらい生じるかなど、さまざまなケースを加味すると、慰謝料の金額は大きく変わってきます。ここからは、主だった離婚原因で発生する慰謝料の相場をご提示させていただきます(あくまでも参考としてください)。

離婚原因が浮気・不倫の場合

一般的に浮気・不倫が離婚の原因となった場合、慰謝料の相場は100万から500万円とされています。かなり振り幅が広いのですが「基準金額120万円」として、不貞行為の回数や期間、不貞に至った経緯、それにより配偶者が受けた精神的・肉体的苦痛などを考慮します。当然、配偶者のダメージの大きさにより慰謝料の額は多くなります。

離婚原因がDV、モラハラの場合

離婚原因がDVやモラハラの場合、離婚慰謝料の相場は50万から500万円とされています。配偶者から受けたDVでどのようなケガを負ったか、どのような後遺症が残ったか、また精神的にうつになったり自殺未遂に追い込まれたりなど、受けた被害の程度によって金額が変わります。

離婚原因がセックスレスの場合

「セックスレス」の定義とは1カ月以上、特別な理由もなく性交渉が行われない状態を言います。慰謝料の相場は100万から300万円とされています。ただし、お互い合意の上でのセックスレスの場合、慰謝料が発生するとは限りません。また、法律上セックスレスが離婚の原因とされるのは「婚姻を継続しがたい重大な理由(セックスレス)が夫婦関係を破綻させた」ことが証明または判断されることが条件となります。何をもって「夫婦関係が破綻」するかどうかは、実際のところ裁判所の判断によりけりのようです。

離婚原因が悪意の遺棄の場合

悪意の遺棄とは、民法第752条(同居、協力及び扶助の義務)を怠ること、つまり正当な理由もなしに生活費を渡さない、夫婦関係・家族が破綻してもかまわないという意思が認められることです。この場合の慰謝料の相場は、50万から300万円とされています。「基準額100万円」とし、そこから悪意の遺棄の内容により金額が加算または減額されます。

配偶者ではなく不倫相手にも慰謝料を請求できる

浮気・不倫が離婚原因となった場合、その原因を作った配偶者のみならず、不倫相手にも慰謝料を請求することができます。相手が不貞を認めた場合、または認めざるを得ない証拠が提示された場合に慰謝料を請求できます。話し合いで収まる場合、調定・裁判まで持ち込む場合と慰謝料の金額はケースバイケースですが、一般的には100万から300万円が相場とされています。

不倫相手に慰謝料を請求できないケース

「不倫」の法的な定義は難しいところですが、肉体関係の有無に限らず、配偶者に精神的・肉体的苦痛を与えるような状況に追い込めば「不貞行為」と見なされます。しかし肉体関係が認められない場合は慰謝料を請求できません。さらに、相手が既婚者だったことを知らなかった場合、そして不倫関係になる以前から、すでに夫婦関係が破綻していた場合も慰謝料請求は認められません。

まとめ

芸能人の離婚で慰謝料何百万、何千万という数字が出てきますが、一般的にそのような高額になるケースはほとんどありません。慰謝料が高額になる傾向として、婚姻関係が長期であればあるほど、不貞行為をしたのが男性ではなく女性だった場合、慰謝料を請求する相手が資産を持っている場合、などが挙げられます。それでも日本の場合、慰謝料の相場は100万から500万円とされています。

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