きちんと把握したいマイナス金利の仕組み

マイナス金利と聞くと、まるで私達のお金を銀行に預けておくだけで利子を取られてしまうようなイメージを引き起こす方もいるかもしれません。しかし、それは正確なマイナス金利の意味とは異なります。今回はマイナス金利の仕組みについて見ていきましょう。

マイナス金利と日本銀行・民間銀行の関係

日本銀行の役割

銀行には日本銀行と民間銀行があります。日本銀行は「お金の発行」「政府が使うお金の管理」「民間銀行の銀行」という役割をもっているのです。私たちの使っているお札や硬貨は日本銀行が発行していますし、公務員の給与も日本銀行から政府が引き出して払っています。また、日本銀行は民間銀行の預金を預かってもいるのです。いわば「銀行の銀行」という役割を担っています。一方、日本銀行には個人で資産を預けることはできません。

民間銀行にはマイナスの影響

マイナス金利が適用されるのは「民間銀行が日本銀行に預けている預金に対して」だけです。マイナス金利を適用すると、例えば100万円預けたときに-1%の金利だったとき、99万円になってしまいます。このことは、民間銀行と日本銀行の間での話であり、一般個人の預金には基本的に影響を与えません。つまりマイナス金利が導入されてマイナスの影響を受けるのは民間銀行であって、銀行ではない個人には直接影響が及ぶわけではありません。

なぜマイナス金利を導入するのか

日本銀行の金利が上下した場合

しかし預金するだけでその金額が減っていく仕組みであるマイナス金利を、なぜ日本銀行は導入したのか。こちらについて、日本銀行の金利が上がった場合を考えて読み解きましょう。例えば+10%の金利を設定した場合、100万円を預ければ110万円になるため、民間銀行は日本銀行へと預金するようになるでしょう。何のリスクもなく儲けることができるからです。しかし-10%と設定されたら100万円が90万円になってしまいます。

もっとお金を使って欲しい日本銀行

より極端な話をすると、+100%のときと-100%のときを考えれば分かりやすくなります。+100%なら100万円は200万円になりますし、-100%なら100万円は0円になるのです。民間銀行にとってプラスの利息なら預けるメリットがありますが、マイナスの利息が発生するとリスクを被る可能性が発生します。

日本銀行に預金をし、結果マイナスの利息が発生してしまうと、民間銀行は以後日本銀行へ預金しなくなることが考えられます。預金せずに何とかお金の使い道を考えなければならなくなります。実はこれが日本銀行の狙いなのです。民間銀行が日本銀行に預けようとする資産を、市場の投資へと誘導させるためにマイナス金利は導入されました。

マイナス金利の導入が個人に与える影響

民間銀行の経営が破綻する可能性もある

マイナス金利の仕組みを見てきましたが、確かにこれは日本銀行と民間銀行の話に過ぎません。ですが個人が民間銀行を利用する限り、間接的に影響を蒙ることは必至でしょう。まず、民間銀行は市場への投資にお金を回すようになります。投資というものは必ずリスクを伴うもので、100%利益の出るものではありません。もしその投資に失敗したら銀行の経営は圧迫されることになります。そうした失敗が続けば、その銀行は破綻する可能性があります。

ローン利率が下がるのは民間銀行の取り組みによる

民間銀行は投資以外にも何とかして資金を得ようと画策します。その一つが住宅ローンや自動車ローンの利率引き下げです。マイナス金利導入によって住宅ローンが下がるという話を聞いたことがあるかもしれません。それはマイナス金利が直接影響したわけではないのです。ローンの金利を引き下げて利用者を大量に確保し、資金を得ようとする民間銀行の取り組みがローン金利の引き下げとなります。

貯金にかかる利息について

個人が民間銀行へ預金しているお金にかかる利息も低くなる可能性は十分に考えられます。民間銀行がリスクを恐れ安定を目指すのであれば、支出の一つである預金に対する利息を減額したいと考えるのは自然でしょう。これもマイナス金利によって直接下がるものではなく、民間銀行の取り組みとなります。また、リスクを取ってでも預金額を増やそうと考える民間銀行があるなら、預金の利息を上げることも考えられます。

まとめ

マイナス金利導入の仕組みについて見てきました。マイナス金利とは「日本銀行が民間銀行の尻を叩いてお金を市場に放出させる取り組み」といえるでしょう。民間銀行による市場への投資を促進することについては、確かにリスクのある取り組みとも考えられますが、成功すれば市場を活性化させる結果に繋がるでしょう。

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