老後破産の実態とは?下流老人に転落しないための対策

「老後破産」とは老後になって仕事を辞めてしまってから貯金が尽きて、貧困生活を強いられる男女のことですが、独り暮らしの高齢者に多く見られ、このごろよくメディアで取り上げられるようになってきています。むやみにお金を貯めこもうとするよりは、老後破産しやすい人の実態を知ることで、事前に対策を立てた方がよいでしょう。

「下流老人」と老後破産の実態

「下流老人」の定義について

藤田孝典氏「下流老人」および三浦展氏「下流老人と幸福老人」等、老後の破産・貧困・実態に関する警告の書がよく読まれているようです。そこから高齢者の世帯を資産別に「上流・中流・下流」と分けた時に、「下流」に属する高齢者(世帯)のことを「下流老人」と称するようになりました。三浦氏によると「下流老人」とは「貯蓄が500万円以下、もしくは借金を抱えた高齢者」と定義されています(ちなみに「上流老人」とは世帯金融資産2,000万円以上)。

「下流化」は進行している

藤田孝典氏はライター兼高齢者の貧困問題と闘うNPOの主催でもあるのですが、高齢者世帯の貧困が増大していく実態を強く危惧した言説で有名です。相対的貧困状態に置かれている老人は「独り暮らし」のことが多く、老人単身世帯のうち、男性38%、女性が52%が該当します。生活保護世帯も増加中ですが、受給者の過半数は老人世帯です。「破産」については「自己破産して、禁治産処分を受ける」ではなく、ここでは「老後に貯金が尽きた…頼れる人もいない」という意味です。

老後破産と家計の実態とは

「住居費」は頭の痛い問題

独り暮らしの老人が老後破産しやすいという実態は、「住居費」が単身者の家計に重くのしかかるという現実を反映しています。NHKクローズアップ現代「老後破産」も話題になりましたが、80代の貧困老人が月6万円以上のアパートで暮らしていることに非難の声が上がっていました。持ち家が無く、首都圏でアパートを賃貸し続けることも老後破産リスクであると言えます。対策としては、50代で老後の生活費の目安をつけて、家賃や生活費が安い田舎へ引っ越すことでしょうか。

老後の資金計画のリスクとは

「住宅ローン」「医療費」「老親の介護費用」「認知症」「ニートの子供」「投資詐欺」…老後破産のリスク要因ならまだまだありそうです。老後資金が少な目でも生活できる地方都市へ引っ越すのなら50代が最適で、50代を過ぎると住み慣れた都会を引っ越すことが次第におっくうになってきます。いつまでたっても自立自活しない「ニートの子供」も要注意です。自活したくても、子が非正規労働者で、親元でないと生活が成り立たないという実態も。

老後破産しないための対策編

高額療養費制度を知って無駄な保険に加入しないこと

「65歳で退職した時点では世帯に3,000万円の貯蓄があったのに、妻が乳がんで倒れて医療費に数百万円費やし、再発の可能性もあり、夫も別の病気により通院中で、老後の資金計画がだいぶ狂ってしまった」…こういう老後破産の実態も。しかし「高額療養費制度」を事前に知っていれば、月8万~9万円以上病院に支払った医療費は手続きによって戻ってくるはずです。ですから「がんになったら大変」と、医療保険や生命保険、がん保険に入りまくって、その支払保険料で首が回らなくなることもありません。

「住宅ローン」の怖さを知っておくこと

住宅ローンを組んだ後でリストラに遭い、70歳過ぎても毎月のローン返済額が10万円以上という実態もあります。夫婦共働き世帯ならともかく、夫の収入だけで家計をまかなっている場合、30年以上の返済期間がある住宅ローンを組むのは慎重に。特に投資目的で中古マンション購入を勧める広告をよく見かけますが、中古マンションの査定はプロでも難しいし、マンションは購入費用だけではなく、固定資産税に加えて管理費、修繕積立金を毎月支払う必要があり、老後破産の遠因になりかねません。

まとめ

老後破産は今になって生じた社会現象ではなく、昔から独り暮らしのおばあさんの50%以上は相対的貧困に置かれていたという実態があります。女性の方が貧困に陥るリスクはかなり高いので、人生の早い段階から、自助努力が求められます。男女ともに「単身世帯化」が進んでいて、いまや国内の世帯の過半数は単身世帯ですから、今後も老人の破産や貧困は身近になれこそすれ、消滅することは考えられません。

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