税金対策にマンション購入は有効か?

「マンションを購入しませんか?」日銀が平成28年1月にマイナス金利政策を導入してからこのような勧誘が一層増えています。金利が低く銀行に預金していても利息が付かないならマンション投資、という図式です。そして売り文句によくあるのが「マンションは税金対策になります」というフレーズです。それは本当なのでしょうか?

所得税を減額できるというのは本当か?

なぜ所得税が減税できるのか?

マンションを買えば所得税が減額できるというのは、マンションを賃貸にしていわゆる「マンション経営」をする場合のことです。マンションを賃貸にすると家賃収入が発生してそれは所得になりますが、それを上回る経費があればマイナス部分は控除対象になり、本業で支払っている税金がいくらか戻ってくるという仕組みです。

赤字経営を続ければ得になるのか?

確かに初年度は登録免許税、不動産所得税、仲介費用など様々な費用が加算されて経費が大きくなるので赤字になる確率が高く、減税効果が見込めます。その後も修繕費や管理費、減価償却費がなどの経費が家賃収入を上回って赤字経営になれば、税金控除が受けられる状態が続きます。しかし赤字を発生させて節税をするという方法がどうなのか再度考えてみましょう。税金が減額されるのは損失が発生したことに対する救済なので、その損失額が節税額を上回っては元も子もありません。

どういう場合に所得税を減額できるのか

マンション経営で所得税減税ができるのは、それ以外のかなり大きい所得がある場合です。そして常に居住者がいて家賃収入が途絶えず大きな損失を出さない、物件が値上がりして最終的に元値より高く売れて利益を上げられるという条件も付随してきます。ではどれだけの所得があれば節税になるのかということですが、物件の値段にもよりますので一概には言えません。税理士に相談するのが良いと思います。ただ一般的なサラリーマンの所得には当てはまらないでしょう。

相続税を減額できるというのは本当か?

相続にはなぜ不動産?なぜマンション?

平成27年からの変更で相続税を申告する人の数が大幅に増える見通しです。それに乗じて相続税対策にマンション購入という方法が喧伝されています。不動産、特にマンションがなぜ相続税対策に有利なのか、まず不動産の評価額の仕組みから見ていきましょう。

不動産の評価額はどのように決められているのか

不動産の評価額は時価(実際に取引される額)より低く設定されています。土地に対する「路線額」は時価の約80%、建物を評価する「固定資産税評価額」は約60%から70%です。そして不動産を他人に貸すとさらに20%ほど評価額が下がります。他人に貸すと評価額が下がる理由は、貸している間は用途を自由に変更できないなどの制約ができたりその他さまざまなリスクを背負うことになるからです。

相続には現金よりも不動産、賃貸にすればさらに効果的

現金や有価証券は時価に対して課税されますが、不動産の場合は評価額に対して課税されます。一般的に賃貸住宅の評価額は時価より約30%ほど低くなります。つまり1億円で買った物件を賃貸にすると、その評価額は7,000万円になりそれに伴って相続税額も低くなります。もし相続のあてがあり、相続税の課税対象に入っているとしたら、不動産購入で相続税が節税できるでしょう。そして賃貸にすればさらに節税効果が上がります。

タワーマンションで相続税対策

タワーマンション購入、特に高層階が相続税対策に有利だと言われていますがなぜでしょうか?不動産評価額は土地と建物で分かれますが、マンションのような集合住宅の敷地の場合、土地の評価額は各人の持ち分割合になります。そこで一定の土地面積に対して部屋数が多いほど持ち分割合が低くなるので、高層マンションほど一戸当たりの土地の評価額が低くなるのです。また建物の評価額は高層階も低層階も一定ですが、実際マンションを売りに出すときは高層階の方が高く売れるので、この点で高層階の方が有利になります。

考慮すべきリスクとデメリット

様々なリスク

このようにマンション購入で節税ができると見積もってもリスクは必ずあるものです。たとえば将来物件が値下がりする、居住者が入らない、居住者が家賃を払わないなどのリスクです。そのほか地震や台風など天災による被害、居住者の死亡などによる事故物件になるリスクもあります。

高層マンションにありがちなデメリット

高層マンションではエレベーターの維持費が高額で、修理や取り替えにはさらに高額の費用が掛かります。またビル外壁の清掃や塗装にも高額の費用が掛かります。マンションの購入者が少なく空き部屋が多いと一戸当たりの管理費の負担が大きくなります。賃貸ではなく自分が住む場合は洗濯物をベランダに干せない、高層階はエレベーターでの移動に時間がかかる、などのデメリットがあります。

まとめ

マンションで節税ができるかどうかは、いろいろな条件とリスクを秤にかけて考えてみてください。今回は「節税対策」という視点でマンション購入を考えてみましたが、節税というのは二次的な側面です。「マンションを購入して家賃収入を得る」「値上がりで利益を得る」または「気に入った住まいを自分のものにする」というのが本来のオーソドックスな考え方です。そのような方は節税から離れてふさわしい情報を探してみてください。

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