所得税はどんな計算方法で課税されているの?

個人の所得に対し課税する「所得税」。一定以上の収入があれば、原則社員・アルバイトなどの雇用形態や、利子・配当など方法を問わず所得に応じて課税され、身近な税であるのに、その計算方法について理解していない人も多いようです。とくに、経理担当者であれば毎月の給与にも関係してきますので、ぜひ改めて理解を深めておきましょう。

所得税の計算方法を知る前に「所得税」について知ろう

所得税を算出するための「所得」は10種類ある

所得税を算出するためにはまず所得の全体像を把握する必要があります。「所得」は所得を得る方法などにより大きく分けて、「利子所得/配当所得/不動産所得/事業所得/給与所得/退職所得/山林所得/譲渡所得/一時所得/雑所得」の10種類に分類されます。なお、所得の種類によって受けられる控除や税の計算方法に異なるため、注意しましょう。

所得税の基本は「累進課税」

税金の課税方法として「累進課税」と「一律課税(均等税)」というものがあります。累進課税はその人の所得に合わせて税率が上がる方式で、一律課税は所得に関わらず全課税対象者に同じ税率をかける方式です。そして所得税は「累進課税」を採用していますので、所得に応じて税率そのものも6段階に設定されています。

なぜ所得税は累進課税?

所得税が累進課税を取り入れている理由として、所得税は国に納める税金であることが起因しています。税金のうち収入に密接に関係している「所得税」と「住民税」ですが、住民税は住民票が置かれている、自分が生活している市町村に納税し、地方活性に役立てるためのものです。一方、国に治める「所得税」は全国から納税されます。これらの性質により、「所得が少ない人も、自分の住む地方に厚く納税してもらい、所得が多い人は国にも貢献してもらう」という意味合いを持って課税方法が決められました。

所得税の算出基準を考えよう

所得から各種控除を差し引こう

所得税は所得に対し課税するものですが、自営業の「合計収入」や給与所得の場合の「総支給額」に対して課税するのではありません。手取り額からさらに「各種控除」を差し引いた額に対し課税されますので、収入が同じでも控除の対象となるものが多い人の税金はやすくなります。控除には「配偶者控除」「医療費控除」「扶養控除」「介護社会保険控除」などがあります。それぞれの人で控除の内容は変わりますので、国税庁のホームページなどを確認しながら、必要な領収書などを用意するようにしましょう。

全員に適用になる控除「基礎控除」とは

基礎控除は課税対象者に一律で38万円の控除を行うものです。医療費控除などの「適用される人とされない人がいる控除」と違うのが大きな特徴です。これには日本国憲法25条「生存権」が関係しています。日本には健康で最低限の生活を営むために、「生活に必要最低限な収入には課税しない」という制度が用意されています。そのため、パート社員などで次にあげる「給与所得控除」も含めて、一年間に103万円以下の収入に関しては所得税を適用しないよう注意しましょう。

給与所得者に対する「給与所得控除」

自営業者の場合、仕事に必要な備品を経費として計上することが可能ですが、給与所得の場合、会社勤めをするために必要な備品などを購入しても個人の費用として計上することができません。具体的には営業に必要な「スーツ」や交通費支給のない会社へ勤める際の通勤費などは自己負担になります。この格差を埋めるため、1月1日~12月31日の収入の額に応じて給与所得控除が適用されます。

所得税を実際に計算しよう

所得税の基本的な計算式とは

ここまで所得税の基礎知識についてご紹介してきましたが、本題の「所得税の計算式」としてまとめると次の通りです。
・「収入金額」-「必要経費(給与所得の場合は「給与所得控除額」)」=「所得金額」
・「所得金額」×「税率」=「所得税」
収入金額に対し課税してしまうと、扶養家族が多い場合や、医療費など一時的に費用が発生した場合は、使えるお金に対する課税率が高いため、生活が苦しくなりやすくなります。あくまで所得金額は必要経費を差し引いたものであることを忘れないようにしましょう。

所得税を給与より月額で徴収する方法とは?

所得税額が分かれば、その金額を12分割して徴収することになりますが、単純に12で割ればいいのでしょうか。実際のところは時給契約の場合や残業費がある場合などでは月によって変動しますので、企業では一律で算出した金額を毎月徴収し、年末調整で差分を戻す形になります。「その月の給与総額から社会保険料などの控除を差し引いた額」と、「扶養家族」の相関で決定します。「給与所得の源泉徴収税額表」というものが国税庁のホームページでも公開されていますので、併せて確認しましょう。

まとめ

所得税は国に納め、所得がある人は原則皆に課税されます。しかし各種控除の対象になりますので、特に会社の経理担当者には年末調整の時期を迎えると各種控除の質問が殺到することも珍しくありません。誤って申告漏れになることのないよう、普段から気をつけておきたいものです。

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