遺産相続を受ける権利と相続順位を知ってトラブルを回避

遺産相続に関するトラブルはできる限り回避したいものです。そのためには、遺産相続がどのような仕組みであるか、民法上で定められた仕組みや判例などをもとに知っておくことが有効です。特に遺産相続の権利とそれに伴う遺産相続の順位についてはトラブルになりやすいので重要です。

民法上の遺産相続の仕組み

遺産相続の基本

遺産相続については、明治31年に制定された民法に882条から1044条までに記載されています。遺産相続は、遺産を持っている人(被相続人)が死亡した時から始まります。原則として、遺産を相続できる権利があるのは配偶者と血族・親族です。ただし、正式な遺言書がある場合には、第三者が遺産相続する権利をもちます。ただし、遺産を相続できる法定相続人は遺留分をもらうことができます。

遺産をもらう権利がある相続順位

民法では遺産を相続する人の相続順位を定めています。遺言書がある場合は相続順位が変わりますが、遺言書がない場合の法定相続人についてのみここでは考えましょう。まず、常に相続人になるのは被相続人の配偶者です。そして、第一順位として被相続人の子で、養子・非摘出子、胎児も含まれます。第二順位として、被相続人の父母(父母が死亡しているときは祖父母)、第三順位として兄弟姉妹となります。さらには、代襲制度という制度があり、例えば第一順位の子が死亡した場合、被相続人の孫が遺産を代襲相続します。

法定相続分の割合

遺産相続の法定相続人は、遺産を分割して受け取ることになります。配偶者と子が相続人であれば、それぞれが2分の1ずつ受け取ります。ただし、子が複数いる場合は2分の1をさらに人数で割ることになります。配偶者と親が相続人の時は、配偶者が3分の1、親が3分の1を人数で割った金額です。配偶者と兄弟姉妹の時は配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1を人数で割った金額です。配偶者がいない場合は順位ごとに全額を人数で割った金額を受け取ります。

遺言書がある場合の遺産相続の権利

遺言書の効力は弁護士への依頼が必須

遺言書は、その効力が有効であるか否かについて、弁護士による証明が必要です。なぜなら、第三者が遺言を書いたり、内容を偽造したり、被相続人が重度の認知症などであったりということ場合にはその遺言書は無効だからです。そのため、遺言書は原則として自筆し、作成年月日を記載し、押印して密封するのが一般的です。もし、遺言書をみつけて、弁護士以外の人が開封した場合には罰金が科せられます。

遺言書による第三者への遺産相続が可能

遺言書が正式な内容であると弁護士によって証明されれば、その遺言書は効力を発揮します。遺言書には、被相続人が自分の遺産を誰に与えるかを自由に書くことができます。遺産相続の配分率も決定できますし、もし法定相続人に自分の財産を与えたくない場合は、遺産相続の権利を排除することさえ可能です。そして、親族以外の第三者に遺産を相続する権利を与えることもできるのです。

法定相続人が請求できる遺産の遺留分

例え、遺言書に遺産の全額を第三者に相続する、と記載されていた場合でも、法定相続人には最低限相続できる権利を保障しています。ただし、遺留分は被相続人の兄弟姉妹には認められていません。遺留分は、原則として被相続人の財産の2分の1(父母や祖父母のみの場合は3分の1)です。例えば1,000万円の遺産があり、700万円の遺産を愛人に渡すという遺言書があっても、配偶者が200万円の遺留分を請求することができるわけです。

遺産相続のトラブルに関する判例

他人の添え手で作られた遺言書の有効性

遺産相続に関するトラブルは多いですが、遺言書に関するトラブルは特に多いです。例えば、他人の添え手で作られた遺言書は「自筆」と認められるかどうかについての最高裁判例があります。この判例では、「遺言者が文字を知り、自筆する能力をもっていたかどうか」が争われました。そして、視力を失ったり手が震えるなどの事情があっても自筆能力は失われないという判決がでました。

特別縁故者の遺産相続に関する判決

また、被相続人に法定相続人がいない場合の「特別縁故者」に関するトラブルもあります。特別縁故者は「被相続人と生計を同じくしていた者」「被相続人の療養看護をした者」「そのた特別の縁故があった者」です。特別縁故者になるには、被相続人との生前の交流があったかどうかで判断されます。被相続人の従兄弟の養子が特別縁故者として相続財産の分与を求めた判例では、生前の交流が乏しかったという判断で特別縁故者として認められませんでした。

まとめ

遺産相続に関しては、それぞれの家庭ごとの事情があり、そのため多くのトラブルにもつながりやすいです。親族同士で遺産相続の権利を主張し合うトラブルを回避するために、被相続人の生前に遺産分配について、弁護士などの第三者を交えて相談するのが一番良い方法です。また、法定相続分はあくまでトラブルになった時の基準ですので、親族間で独自に遺産分配することはもちろん可能です。

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